宵摘草
つらつらと、心のおもむくままに
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代償と記憶
とても、優しい人でした。
いつも、一番に愛してくれた。自分を犠牲にしてでも。
他のどんな人にも優しくて、でも、その中でも一番の愛情を惜しみなく
その包むような暖かさが、あの頃のわたしには痛くて
怖くて、切なくて、そこからするりと逃げてしまった。
それでも何一つ責める事無く、変わらずに愛してくれた。
それから何年たったんだろう。
違う道を歩き始めた頃に、二度と逢えない人になってしまった。
もう二度と声を掛け合うことも、笑いあうことも、喧嘩することさえ
どうしようもないくらいの喪失感があって、
もっと優しくしておけば良かったと、
もっと受け止めておけば良かったと、
突然の知らせとともに、この手に残ったのは、
たった一つの時計だけでした。
君が、確かに居たという証です。
あれから、私の腕に、君の生きた証が残っています。
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HN:
樹 ゆう
性別:
非公開
職業:
会社員
趣味:
映画鑑賞、イラスト描き、寺社めぐり